【介護職員の人手不足】介護職員の不足感がなくならない原因

【介護職員の人手不足】介護職員の不足感がなくならない原因 マジメな話

介護職の方は「人手不足」をいつ頃から実感していますか?

多くの方が「働き始めたころから」と答えると思います。

今後はさらに人手不足感は高まっていくことになるかもしれません。

もし、国が人材不足を理由に、人員配置基準を緩和するという手段をとった場合、1人の介護職員が今よりさらに多くの利用者の介護を同時にしなければならなくなります。

人員配置基準とは施設(事業所)が、利用者の人数に対して配置しなければいけない介護職員の人数のことです。

例えば、利用者20人を1人の介護職員が介護をするなんてことはあり得ませんよね?介護事故や介護の質の低下を招きかねません。そうならないように、法的に介護職員の人数を定めているのです。

言い換えると、最低限必要な介護職員の人数でもあります。

しかし、この最低限必要な人数を皆さんはどう感じるでしょうか?「人手が足りなくて忙しい」「公休、有休がとれない」という方が多くいると思います。

この記事では人員配置基準についてを詳しく解説します。

自分の施設はどうなんだろう?これが当たり前なのかな?

そう思いながら日々、大変な仕事をし続ける前に、この記事を読んでみてください。

介護職員の労働力や志が、今、ものすごい価値のあるものだということがわかるはずです。

介護職員の人手不足は過去10年で過去最悪だそうです

介護労働安定センターの「令和元年度 介護労働実態調査結果」で、従業員の過不足状況が発表されました。

介護労働安定センター令和元年度介護労働実態調査

介護職員の不足感を見てみると69.7%です。これは過去10年で最悪の水準だそうです。

実際に現場にいて、この実感は確かにありますよね。

訪問介護員は81.2%です。有効求人倍率はなんと15倍超えとのこと…
これは、1人に対して15以上の求人があるということです。

ちなみに施設等の介護職員は約4倍。1人に対して4以上の求人があります。

「人手不足」と言っていい基準はあるのか?

「人手不足」

ところで、介護の現場で「人手不足」とはどういうことでしょうか?

逆に、人手が不足していない状態とはどういうことでしょう?

まずは、法的(条例)に必要な介護職員の人数を確認してみます。

介護施設の法的な人員配置基準

たとえば、神奈川県の特別養護老人ホームでは、以下のように介護職員(または看護職員)を配置しなければいけません。

利用者3人  介護職員1人以上

神奈川県|指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例施行規則(第二条)

これは、利用者が3人に対して介護職員を1人以上配置しなければならないということです。
利用者が4~6人だと、介護職員は2人以上。
利用者が7~9人だと、介護職員は3人以上ということです。

この基準を順守することで、介護施設の運営を認められています。

実際には3:1ではない

しかし、実際には1人の介護職員が利用者を3人ずつ介護をするというわけではありません。

この人員配置基準は常勤換算で(利用者)3:(介護職員)1の配置が必要という意味です。以下の、図のように入所定員に対して常勤換算した介護職員を3:1で配置しなければいけません。

常勤換算とは
各従業員の一か月の勤務合計時間÷事業所の定める常勤職員の勤務すべき時間数=常勤換算人数
(詳しく知りたい方は「介護施設 常勤換算」でググってみてください)

「人員配置基準」とは総介護職員数のことで、実際に介護をする時に、その場にいる介護職員の数ではないんです。

実際にはその場で何人の利用者を介護してるの?

勤務している時間帯や、現場の利用者の身体状況によって差はありますが、体感としては

5人~10人の利用者  1人の介護職員

だと思います。

利用者からしても数少ない介護職員を頼ることになり、大きなストレスを感じることもあります。

人員配置基準がわかりづらい

「人員配置基準 3:1」という言葉が悪すぎです。

介護の仕事をよく知らない人には

なんとかなりそうに聞こえてしまいます。

「3人の利用者なら1人でもなんとかなるんじゃない?」と思われがちです。

それならば、実際に介護職員が1人で介護する量がわかりやすくなるように

「人員配置基準 5~10:1」

にしたほうが、多くの人が問題意識を持つことができて、問題提起することが出来ます。

人手の不足感は人員配置の基準も原因

そもそも、人員配置基準を満たしていても人手不足感はあるのです。

この人員配置基準を順守している限り、誰にもどこからも施設は問題視はされません。

コスト(人件費)を最低限に下げる手段にもなります。

最低限の介護職員の人数を守っていれば運営できるのです。

人員基準が出来た時に、すでに介護職員に負担がかかる状態にあったのです。

人員配置基準以上の介護職員を配置している施設もある

このような仕組みを危惧して、介護の質を上げるために独自で基準を作って、介護職員を多く配置している事業所もあります。

労働環境を整備して働きやすくしたり、IT化して業務負担を減らしたり工夫したりしているところもあります。

最近では、継続勤務による処遇改善もあります。

介護職の離職を避ける取り組みを、必死で考えている人達がいることも忘れてはいけません。

まとめ

記事をまとめると

  • 人員配置基準(3:1)とは、実際にその場で同時に介護をする利用者の人数のことではない。
  • 実際には体感として、利用者5人~10人の介護を同時にしている。
  • 今の人員配置基準は、不足感を感じる基準になっている。

なぜ、介護職員の不足感が解消されないのかお分かりいただけたでしょうか?

もちろん、働き手が足りないことが根本的な原因ですが、働き手が現れたとしても、今の人員配置基準では不足感は解消されないと私は思っています。

今は、どこの事業所も介護職員を求めて取り合いの状態です。

単純に、良い事業所には介護職員が集まる状態なのではないでしょうか?

国が人材不足を適当に措置するようなことがないように、介護職の価値を評価した形で、人材不足を解消してほしいものです。