介護職の仕事にやりがいを感じなくなった…
給与が低いから転職を考えている…
けど、辞める勇気はない…
こう考えてモヤモヤと介護職をしている方は多いのではないでしょうか?
しかし、その考えは普通のことです。普通そうなりますよ。
普通の人より意識が高い人は起業したりして問題解決できます。けど、ほとんどの介護職はそうはいきませんよね。
「やりがい搾取の場にならないように留意すべき」
令和2年9月30日の介護報酬審議会で、厚生労働省に対して労働組合がこう言いました。
このやり取りは以前より続いていますが、介護職の処遇は大きくは変わってはいません。
じゃあどうすればいいの?って思いますよね。
私が考えるに、介護職はこれから「専門職化」していくことが大事かなと思っています。
介護職である自分を専門職であると考えることで
将来に備えながら、選択肢を増やすことが出来る
ことになります。
介護職はもともと、専門職に分類されます。国家資格の介護福祉士がありますからね。
「なんとなく介護職やっていればいいや。」と思えるならば、それはそれでいいと思いますが、志が高く向上心がある介護職の人はかなりキツイ環境にあると思います。
この記事では、介護職をモヤモヤとした気持ちで続けている方のモヤモヤを晴らすことが出来る方法を解説しています。
記事の目次
やりがい搾取とはなんなのか?

搾取とは何かを調べると
第二義的に、他人に帰属すべき権利や利得を不正に侵害したり取得することや、優越的立場を乱用し他人を使役して不当な利益を得ること。
Wikipedia
つまり「必要以上の労働力を会社が利用する」ってことですね。
”やりがい搾取”とは「やりがいを利用して必要以上に労働をさせる」ってことになります。
介護職に大事なのは”やりがい”なのか?

介護職は深刻なほど不足しています。
令和元年度介護労働実態調査の事業所への調査で、不足感を感じている事業所が
○ 訪問介護員 81.2%
○ 介護職員 69.7%
(訪問介護員も介護職員も仕事は同じです。訪問介護か施設介護か通所介護かその他の違いです。)
以下、令和2年9月30日、翌年4月の介護報酬改定審議会にて
厚生労働省が勤続10年以上の職員に「仕事を続けるうえで重要だと思うこと」を尋ねた調査結果が「やりがいがあること」が36.6%あったと指摘。
それに対して労働組合が「”この仕事は給料以上にやりがいがある”と言い、不当に安い賃金や劣悪な環境で働かせることに厳しい評価が下されている。そのことを十分に認識する必要がある」と問題提起。
このようなやり取りがありました。
簡単に言うと、介護職の処遇改善の話し合いの場で厚生労働省が「介護の仕事はやりがいが大切らしいよ」との調査結果を出したことに、労働組合が「やりがいは大切だけど給与に問題がある」と言ったんですね。
皆さんはどう考えますか?
介護職が不足している理由が「仕事へのやりがい」なのか。
介護職が不足している理由が「安い賃金。劣悪な環境。」なのか。
この問題は、現場での実務経験の量と質によっては考え方に違いがあるかもしれません。
介護職は”やりがい”の前に労働者である

しかし、大前提として介護職は労働者です。労働を提供して、賃金を得て生活する人です。
しかも、社会貢献どころか公務並みに必要不可欠な職種になっています。
人材不足のなかで”やりがい”だけに頼って介護職が増えるのでしょうか?
そこまで高給を望んでいる介護職はいないはずなので、安心して生活が出来る賃金を考えてほしいです。
○ すべての処遇改善手当は基本給に含める
まずは、せめてここから始めてみてはいいのではないかと思います。
とはいえ、すぐに変化が起きる気もしないですよね?
それならば、労働の対価を考えて、それに見合った行動をすればいいと思います。
次にその行動を書いています。
とりあえず介護職を専門職化させて将来に備えよう

とりあえず、介護職を専門職化させてみましょう。
たぶん、余計なものをいっぱい背負いすぎているのも悩みのタネになっていると思います。
今現在、変わることがないならば介護職を続けていくしかありません。経営者であれば「明るい介護を作り上げよう!」と気持ちになりますが、ほとんどの介護職はそうはいきませんよね。
自分の仕事に専念する
よく「これは介護職の仕事なのか?」と思うことはありませんか?
介護職がやる必要のない仕事をやっていることは多々あります。仕方ない場合もありますが、出来れば減らしたいところです。
自分がやるべき仕事だとわかっていた方が、責任を持ち仕事の質は上がります。また、仕事の押し付け合いに悩まされず、人間関係の悩みが減るはずです。
介護職の仕事の範囲は、国家資格である介護福祉士試験での出題範囲が、介護職の仕事の一つの目安になります。また、介護保険制度と老人福祉法などの法律上、すでに明確にされている部分もあります。
例えば、医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈についてには、糖尿病の人の爪切りや、変形した爪切りは介護職がやってはいけないとあります。
少しずつ覚えて、やるべき仕事に専念することが自分と利用者のためにもなるはずです。
参考になる記事もあるのでよかったら読んでください。
帰属意識をなくす
帰属意識とは集団に所属している意識ということです。
「会社に所属しているから従わなければいけない。」
「チームの中にいるから乱してはいけない。」
これを無くすということなのですが、ゼロにするという意味ではありません。
共通の目的、役割、責任の所在、管理、権限など就業規則などで定めていることなどは必要です。サービス計画などの利用者への介護方法も同じです。
帰属する必要が無いのは、自分の能力です。
能力を活かせる場所なのか、活かしてくれる場所なのかを判断するのは自由なので、会社の為に差し出す必要はないはずです。
自分の仕事に専念していくうちに、自分の能力も高くなっていくはずなのでどこで働いても十分通用します。
主張をする
知識や技術が高まれば、主張をすることが当たり前になります。
知っていることは自信を持って話すことができますもんね。
介護職でもSNSやネット上で情報を発信している人はたくさんいます。そのような人たちは、物事をよく知っていて知識量が多いです。
同じようにやるのは難しいですが、職場での自分のステータスが高いほど働きやすいと感じるのは自然なことです。
長年、教えられる立場でいるよりも、教える立場でいるほうが心理的にはラクなはずです。
また、情報の提供は仕事にもなります。副業として講師という仕事も出来るようになるはずです。
まとめ
- 自分の仕事に専念して課題を減らす
- 能力は自分のために使う
- 主張をしてステータスを高める
介護職の悩みを経営者やベテラン介護職に聞いても、正確な内容は得られないかと思います。
少なくとも現状に適応できている介護職なわけですから。
それよりも、辞めていった介護職が戻ってきたくなるような仕組みをすぐにでも作ってほしいものです。そのくらいのことをすれば、人手不足の解消を実感できると思いますね。
その為には、やはり今働いている介護職が声を上げて主張していくことが大切だと思います。