【介護職員の服薬介助】医療行為にならない一包化された薬だけ扱える話

【介護職員の服薬介助】医療行為にならない一包化された薬だけ扱える話 マジメな話
  • 服薬介助は緊張感をもって行う。
  • 決められた手順に従って行う。

介護職の人は、いつもこのような心構えで服薬介助を行っていますよね。利用者の命にかかわる重要な場面で、すごく神経を使う介助になります。

介護職員が行える服薬介助とは「薬の準備」「声掛け」「飲み込みの確認」のことをいいます。

薬をパッケージ(PTPなど)から取り出して一つにまとめたりする事は医療行為になります。介護職は薬剤について詳しく学んでいるわけではないので、仕分けや管理はやってはいけないのです。

しかし、現状はそうはいかない事も多々あります。

もし、介護職の仕事がそこまでを扱えるようになったらどう思いますか?

介護職は責任の重い仕事をしている

服薬介助は、介護職の仕事の中で神経をすり減らすほど集中する場面です。10人以上の利用者に間違いのないように、口からこぼれ落ちないように、飲み残しがないように確認する事だらけの介助です。

万が一、誤薬事故が起こると利用者の命にもかかわることになります。実際に、私は誤薬によって利用者が亡くなる事故が身近で起きたことはありませんが、事故事例に目を通すとその重大さを強く感じます。

しかし、利用者にとっては生活を続けていくためには大事な薬であり、介護職員にとっては責任をもってやらなければいけない仕事であります。

介護職員は薬に関しての知識を詳しく学ぶわけではなく、限られた行為の中で服薬介助を行っているのです。その限られた行為が「一包化された内服薬の内服」です。

一包化されていない薬を介護職員が扱う現実

介護職の人で、薬をパッケージ(PTPなど)から取り出して一つにまとめたり、錠剤に印字されている薬をみて仕分けした経験はありますか?

実はこれは、介護職員がやってはいけない医療行為なのです。「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」によると、医療行為にあたらないのは「一包化された内服薬の内服」となっています。

平成17年7月26日 医政発第0726005号 各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知 医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)

介護職員はこのように医療行為を行うことはできません。在宅介護の介護職員であれば医師に相談後に薬局にお願いしたり、施設であれば看護師が利用者の薬の仕分けなどの一包化をすることが正しい扱いになります。

現実的に難しいことではありますが、介護職員としては処遇の面から考えても、この現状をどうにかしてほしいものです。

施設介護では服薬介助だけに集中するのは難しい

さらに、施設の介護職員であれば服薬介助中であっても、利用者の生活の場のど真ん中で働いているため服薬介助だけに集中することが極めて難しいです。

認知症の利用者の行動を見守りながら、他の利用者の用件を聞きながら、呼び出しのコールに対応しながら服薬介助をしているのが現状です。

人材不足も重なっているため、服薬介助に集中させる環境を作り出すことも難しい状況になっています。

しかし、それでも起こしてはいけないのが誤薬事故なのです。

誤薬は絶対にあってはならないと肝に銘じているはずの介護職員が、誤薬事故を起こしてしまうのは、単なる不注意だけが原因ではなく、環境が起こしてしまうのが要因の一つだということも課題にしなくてはいけません。

介護職が行える医療行為となるのではないか?

平成24年度から「社会福祉士及び介護福祉士法」が一部改正され、一定の研修を受けた介護職員等においては、医療や看護との連携による安全確保が図られている等、一定の条件の下でたんの吸引等の行為を実施できることとなりました。

このように、介護職員が行える医療行為の範囲が拡大されていくことで、在宅や施設での利用者病状への早期対応、また、医療行為にあたる看護師などの負担の軽減や人材不足への対応が図られています。

薬の仕分けや管理についても、薬剤師ほどの作業まではいかずとも、一定の行為については介護職員が担うことも考えられます。

薬剤についてではないですが、最近行われた内閣府のワーキンググループでの会議では「介護職の医療的ケアの対応範囲を広げる」ことを提案しています。
令和2年3月18日 規制改革推進会議「第9回 医療・介護ワーキング・グループ 」

出来ることだけ増やすのではなく処遇も考えてほしい

「介護職の医療的ケアの対応範囲を広げる」ことは、社会的にみても在宅ケアの重要性を考えても必要なことだと思います。

しかし、人材不足の介護職の仕事を増やすだけで終わらせるのはやめてほしいです。おそらく、多くの介護職員が同じような考えを持っていると思います。

それでも、利用者のために、スキルアップのためにと前向きに取り組む介護職員もいます。そのような、介護職員やこれから職業として介護職を選ぶ人たちにとっても、給与面の処遇に関しては「介護職の医療的ケアの対応範囲を広げる」と併せて考えてほしいものです。

まとめ

この記事をまとめると

  •  一包化された薬は医療行為ではない。
  •  介護職員が利用者に対して行える服薬介助は一包化された薬のみである。
  •  介護職員が一包化されていない薬を扱っている現状がある。
  •  介護職員が行える医療行為は拡大することが予想される。

介護職員は優しく、おとなしい性格の人が多いですが、情熱的に物事に取り組む力を持っている人も多いです。

私のも同じで「発言してゴタゴタするなら、自分だけで頑張ろう」とか考えちゃいます。

この記事を読んで、少しでも介護職の現状や将来について発言する気持ちをもっていただけたら幸いです。