「自立」と「自律」の違いをわかりやすく解説【見て覚える】

【見てわかる】「自立」と「自律」の違いをわかりやすく解説 介護スキル

「自立」と「自律」

「違いを調べても、いまいちピンとこない」

特に、介護福祉職の方。そのようなことありませんか?

ググってみると

自立は"自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやって行くこと"
自律は"自分の気ままを押さえ、または自分で立てた規範に従って、自分の事は自分でやって行くこと"

と書かれています。

介護福祉職の勉強や仕事では、この説明だけでは理解しづらい時がよくあります。結局、頭の中で「自立」と「自律」の違いを整理できずに勉強を進めてしまったり、区別せずにサービス計画を立ててしまいがちです。そうすると「自律生活」「自立支援」など、言葉が組み合わさるとよくわからなくなったり、会議などで計画の説明が上手く出来なかったりします。

【見てわかる】「自立」と「自律」の違いをわかりやすく解説

しかし、この「自立」と「自律」の違いをハッキリと理解することで、介護福祉職として問題解決力と説明力がグッとあがるのです。

介護福祉士の試験出題項目の一番最初の項目は「自立」から始まります。人間の尊厳を理解するのに必要な基礎的ワードです。言葉と意味を区別できることで、勉強であればその後に続く項目の理解、仕事であれば利用者や家族、職場の同僚やケアマネージャーへの伝わり方がスムーズになります。

是非、この機会にひとつスキルをアップしてみて下さい。

「自立」と「自律」の違いを"ロボット"でわかりやすく解説

「自立」と「自律」の違いを簡単に理解するには「外面のこと」と「内面のこと」で分けて考えるとわかりやすくなります。「自立は"外面"のこと。自律は"内面"のこと。」と考えるとわかりやすいです。

【見てわかる】「自立」と「自律」の違いをわかりやすく解説

この違いが「よくわかるなぁ」と感じたのが、ロボットのタイプを「自立型ロボット」と「自律型ロボット」で使い分けて説明していた記事を見た時です。それは、「自立型ロボット」は"歩行することが出来るロボット"であり「自律型ロボット」が"考えて歩行することが出来るロボット"と説明されていました。

このロボットはどちらも歩くことが出来ますが「自律型ロボット」は"考えること"ができます。考えて動いているように見えることで、あたかも意思を持って動いているように見えます。最近だと、歩行ロボットではないですが、勝手に部屋の中を動き回るお掃除ロボットがイメージしやすいですよね。

しかし、残念ながら介護福祉職の勉強や仕事ではこれだけでは説明が足りません。

介護福祉職が覚えるべき「自立」と「自律」はさらに奥深いという話

介護福祉職が人の生活を支えるためには「人間を理解する」必要があります。その為には、個人の生き方を尊重しなければなりません。それが「尊厳」です。介護福祉職は「尊厳」の中で「自立」と「自律」を考えなければなりません。

人間の場合の「自立」は"生活すること"で、「自律」は"意思決定をして生活すること"になります。

【見てわかる】「自立」と「自律」の違いをわかりやすく解説

先ほど説明のロボットの「自立」は"歩くこと"です。「自律」は"考えて歩くこと"です。ロボットなので「尊厳」はありません。なので、「自立」のみのロボットが存在していても何にも問題はないのです。しかし、介護福祉職が支援する人が"生活するだけ"で意思決定を無視していいわけがありませんよね。

「尊厳」の中にある「自立」には、前提として「自律」がなくてはならないのです。

【見てわかる】「自立」と「自律」の違いをわかりやすく解説

人の生活には「自律」があるからこそ「自立」がある

「自立」には身体的自立、経済的自立、社会的自立があります。そして内面に「自律」があるのです。内面の精神的な「自律」が発動して外面の「自立」が成立します。

介護の勉強をしていると、同じようなことが書かれていて違いがよくわからない記述がありますが「自律」と出てきたら「尊厳の中の"自立"の"内面のこと"なんだな」と思えばわかりやすくなります。

介護サービス計画書の作成に携わる時は、自立支援を成立させるための"外面的な支援"と"内面的な支援"を区別したり、同時提供したりする計画書にすると伝わりやすくなります。

今後の介護サービスの具体的な支援方法は「介護者視点の介護」から、利用者主体の「自立支援」へと大きく動いています。そのため、介護福祉職の専門性も高いものが求められています。

この記事が、その一助になれば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。