この記事は介護福祉士試験の出題範囲にある「ICF(国際生活機能分類)」をイラストで解説します。
ICFの理解をしっかりと出来ていますか?
試験勉強とかでは、単語を暗記する程度ではないでしょうか?私も単語を暗記する程度で覚えていました。
しかし、よくわらないまま覚えるよりも、具体的にICFが何かを理解すれば、より記憶が定着すると思います。
この記事のまとめに、イラストで理解できる画像が用意されていますので、是非活用してください。
ICFってなに?
ICF(国際生活機能分類)は、2001年にWHO(世界保健機関)が提唱した、医学モデルから生物・心理・社会モデルへの転換の枠組みとして示されています。
簡単に説明するとICFとは
病気を患って障害がある人の"出来ないこと"に着目するのではなく"出来ること"に視点を向ける為の道具
のことです。
ICFの目的は、福祉・医療・保健従事者などがICFという道具を使って共通言語を確立し、連携することにより、障害のある患者や要介護者など援助対象者を援助していくことにあります。
具体的にICFってどう使うの?
では、この道具をどう使うのか気になりますよね。
ICFには第1レベルから第4レベルまで分類された項目があります。アウトライン構造となっており、詳細を全て含めると1500項目にもなります。この項目で、目標となる生活・人生に到達するように評価をして解決方法を分析します。
しかし、介護福祉士試験で覚えるべきICFの範囲は、構成要素レベルです。テキストだけでは、よくわからないと思うので以下にイラストがあります。
この一つ一つの項目が、更に細かくなり第4レベルまであります。
以下が構成要素レベルです。
これさえ覚えてしまえば大丈夫。
ICFをさらに詳しく勉強したい方はWHO(世界保健機関)HPへ
WHO世界保健機関
International Classification of Functioning, Disability and Health の日本語版
大ボリュームですが、とても勉強になります。
介護福祉士試験で覚えておくべきICFの4つのこと
介護福祉士試験で覚えるべき4つのことは
- ICFの歴史
- ICFの特徴
- ICFのしくみ
- ICFの構成要素名
順に解説します。
ICFの歴史
ICFが出来るまでには、それまでの過程があります。
ICFは、1980年にWHOに提唱されたICIDH(国際障害分類)が2001年に改訂されたものです。
ICIDHでは、障害のある人は病気や変調によって、機能障害から生じた、能力障害により、社会的不利になる。といった、マイナス面に順を追った図式で医学的な診断治療をしていました。
しかし、ICFはマイナス・障害だけでなく、残されている部分にも着目すべきであるという理念があります。
ICFの特徴
特徴としては「人間が生活を送る」というプラス面に視点を置いています。
また、障害のある人が生活を送るのに影響することとして「背景因子」があるとしています。背景因子には、環境因子と個人因子があります。(環境因子と個人因子の説明はまとめにあるイラストのとおりです)
ICFのしくみ
ICFを形作っている要素の中に、心身機能・身体構造、活動、参加があり、この3つを生活機能としています。
この生活機能と、先ほどの環境因子と個人因子、健康状態がお互いに作用しているとされています。
ICFの構成要素名
以下がICFの構成要素まとめです。
- 心身機能・身体構造(否定的側面に機能障害)
- 活動(否定的側面に活動制限)
- 参加(参加制約)
- 健康状態
- 背景因子(環境因子、個人因子)
これらの各要素には相互関係が存在して、1つの要素の変化が他の要素を変化させる可能性があるとされています。
まとめ
ICFは、障害のある人のそれぞれの環境や特性を踏まえたうえで、設定した生活や人生の目標に到達することが出来るツールです。
私は、介護福祉職がICFの歴史や構成要素の相互関係を理解するのはとても重要だと思います。
それは、ICFが障害のある人の課題を医学的診断による解決から、個人の人生目標の実現を援助する"目標指向"に重点を置いているところにあります。
介護福祉職は生活を支援することが務めです。ICFの一部の理解でも「自宅で生活をしたい」「趣味を続けていたい」「外で歩けるようになりたい」などの望みを、保健医療従事者などと同じ認識で支援を進めることができます。
なので、介護福祉士試験に限らず、実務においても念頭におけるように、この記事を活用していただければ幸いです。