介護記録の書き方は、介護福祉士試験の出題範囲の内容となっています。
介護記録の留意点を知っていますか?
介護記録は公式な文書の「公文書」になります。
公文書とは政府や官庁、地方公共団体の公務員が職務上作成した文書のことを言います。
私たちは介護福祉職ですが、介護保険制度に基づいた介護サービスを提供しているので公文書を扱うことになります。
そして、公文書には作法があります。
作法を守ることによって「ちゃんとした介護サービスを提供しました。」という証明になります。
では、何に気を付けたらいいのか?
この記事では、介護記録を公文書として認められるための留意点について解説します。
介護記録の書き方/留意点のポイントは以下になります。
- 誰が読んでもわかるように書く
- 事業所で決められた書き方で書く
- 公式な修正方法を使う
- 主観的な記録にならないようにする
これらのポイントをクリアするには8つのやり方を意識して記録すれば大丈夫です。
では、さっそく解説していきます。
読みやすい字で書く
誰が読んでもわかるように、読みやすく書きましょう。
字を書くことが苦手な人でも、ゆっくり丁寧に筆を動かせば大丈夫です。
パソコンで記録をしている事業所も増えてきていますよね?
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自分の署名を入れる
誰が書いたのかわかるように、自分の名前を書きます。
事業所によって変わりますが、手書きや印鑑で署名します。
書いたことが自分だとわかるのでしっかりした介護記録を書きたいところですね。
略語は決められた範囲で使う
介護で使われる略語といえば
- 食介(食事介助)
- トランス(トランスファー・移乗介助)
- 体交(体位変換)
- ケアマネ(ケアマネージャー)
など。
これらの略語は、事業所で「これは使っていいですよ」という決め事があるうえで使用しましょう。
特に決め事としてない場合は、略せずに書きましょう。
間違えたら二重線と訂正印を使う
字を間違えたときは二重線を引いて、訂正印を押します。
訂正印を押す位置は、二重線の上に重ねるか訂正箇所の近くに押しましょう。
修正液や修正テープは使ってはいけません。
あとから他の人が修正テープなどで偽造したと疑われる可能性がある為です。
つまり、公文書として無効になってしまうのです。
5W1Hを用いて書く
5W1Hとは。
- (When)いつ
- (Where)どこで
- (Who)誰が
- (What)なにを
- (Why)なぜ
- (How)どのように
これらを詳しく書くことで、自然とわかりやすい記録になります。
更に、発展させた7W1Hというものもあります。
追加して「(Whom)誰に」「(Which)どちらが」など、色々とあるようです。
まぁ、5W1Hでいいんじゃないの?と思ってしまいます。
具体的に記録する
具体的な内容を記録するようにしましょう。
時間、場所、言葉、物、位置、角度など、出来る限り多くの情報をまとめて記録するとわかりやすさがアップします。
例えば、天気なども記録しておくと、気圧によって起きた体内の変化からくる疾患の症状が伝わったりもします。
雨の日は低気圧が通過するので、関節痛、頭痛、神経痛などが起こりやすくなります。雨の日に起きたことだとわかることで、一つの判断材料が増え、対処も変わってくるでしょう。
客観的事実と主観的判断を区別する
「第三者の視点から見た客観的事実」と「自分から見て感じた主観的判断」は区別して書きます。
主観的判断の記録はその人の心理状態や性質によって人それぞれ書く内容が変わる場合があります。
主観的判断の記録だけであると、人によって内容が変わり、読んだ人がわかりずらくなります。
しっかりと区別をして書くには、先に客観的事実の記録を書いたあとに、主観的判断の記録を書くと区別されやすくなります。
出来事の理由や背景も記録する
起きた出来事に対しての理由や、その原因も書くようにしましょう。
自分がわかる範囲の理由や背景になりますが、事実であればそのまま記録します。
可能性として考えられることであれば、自分の解釈となるので説明体を用いることになります。更に、主観的判断であるため、前には客観的事実を書いておきましょう。
説明体についてはこちらの記事で解説しています。
まとめ
まとめです。
- 読みやすい字で書く
- 自分の署名を入れる
- 略語は決められた範囲で使う
- 間違えたら二重線と訂正印を使う
- 5W1Hを用いて書く
- 具体的に記録する
- 客観的事実と主観的判断を区別する
- 出来事の理由や背景も記録する
イラストのおまけです。
大きい画像はこちら。
どうでしょうか?
一度に覚えるのは大変なので、まずは「略語を使わずに5W1Hを使って具体的に書く」ことから始めてみてください。
介護福祉士試験対策としては、近年出題はされていないようです。
しかし、出題されないとは言い切れないので「介護記録は誰が読んでもわかりやすいようにする」ということは頭に入れておいた方がいいかもしれませんね。
この記事が、皆さんの介護職としての一助となれば幸いです。